PRP療法 prp
PRP療法(Plate Rich Plasma:多血小板血漿)とは
血液中の血小板や血漿には組織の修復を促進する様々な成分が存在することが知られています。PRP療法では、自分の血液を採取し、濃縮した血小板を多く含む血漿を遠心分離機を用いて抽出します。
その抽出液を患部に注射することにより組織の修復や痛みの軽減を図る治療法です。
自身の血液を使うことにより感染症(肝炎・HIVなど)やアレルギーといったリスクがほとんどないことも特徴です。
ステロイドの注射は炎症を抑えることで、短期的には痛みを改善するため、昔から良く行われてきた治療法ですが、長期の経過では再発することが多く、また組織を弱くし腱や筋肉の断裂、皮膚の萎縮などのトラブルを引き起こすことがあり、決して完璧な治療というわけではありませんでした。
ステロイドと比較してPRPにはそのような副作用はなく、外傷からの早期復帰や慢性的な筋腱の痛みを和らげる治療として海外では多くの研究が行われています。日本では皮膚科や歯科の領域で最初に導入され、最近はスポーツ整形外科の分野で多く導入されるようになりました。
有効な疾患
- 外傷:肉離れ
- 靭帯損傷
- 筋損傷・筋断裂
- 腱損傷・腱断裂
- 怪我からの早期回復、スポーツへの早期復帰を図る場合に治療を検討します。
慢性的な症状
- テニス肘
- ゴルフ肘
- 上腕骨内側上顆炎
- 上腕骨外側上顆炎
- 膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
- アキレス腱炎
- 足底腱膜炎(足底筋膜炎)
- 慢性的な腱の炎症や変性に対して用いられます。
副作用やリスクについて
【注射部位の腫れ、痛み】
患部への注入の際に少し痛みを伴う場合があります。また注射後1週間くらいの間は痛みや腫れが続くことがありますが、治癒の過程で起こるものであり、NSAIDsと呼ばれるタイプの痛み止めは使用できません(PRPの効果を阻害するため)。しかし細菌感染による場合はこの限りではありません。
【末梢神経損傷】
超音波エコーを用いながら注射を行いますが、まれに神経を損傷することがあります。また極めてまれですが複雑な神経の反応によるCRPS(複合性局所疼痛症候群)といった難治性の痛みを引き起こすことがあります。またこれらのことは採血の手技の際にも起こり得ます。
【感染】
自分の血液を使用するため、肝炎など血液を媒介とする感染症の危険性はありませんが、注射部位の細菌感染による化膿などは起こり得ます。
【アレルギー】
PRPは自分の血液を用いるためアレルギー反応は起こりませんが、消毒液その他の薬剤による皮膚のかぶれなどが起こることがあります。
治療の流れ
- まず一度診察を行い、PRP療法の適応があるか確認をします。
- PRP施行 注射当日は患部を強く刺激しない方が良いため、マッサージや激しい運動は避けてください。その後は通常の生活に戻っていただきます。
- 2-4週間後に診察を行い、効果を判断しながら次の治療の計画を立てます。
- 通常2回〜3回治療を行うのが一般的です。
保険適応
PRP療法は保険適応はなく自費の治療となります。
料金表
保険外診療 | |
PRP療法 | 27,500円(税込) |